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February 5, 2018

滲んだ消印

卯月
季節柄といいますか、すっかり「寝坊」の先行詞となってしまった「春眠暁を覚えず」。実はこれ、全く逆の意味でして、意訳すると、「夜更かししていたら、いつの間にか朝になってしまった」というニュアンスになります。寝坊はもちろん、夜更かしも程々に。

皐月
クリスマスケーキのイメージからか、苺といえば冬のものと誤解されがちですが、その旬は、実は4月から5月です。ちなみに、分類上は果物ではなく野菜なので、2度、びっくり。豊富なビタミンCを損なわないよう、ヘタをつけたまま洗ってから、召し上がれ。

水無月
まもなく、紅花(べにばな)が一面に咲く頃合い。その黄色の鮮やかさとは裏腹に、文字通り、赤色(紅色)の染料が取れます。身近なところでは、紅花油(サラダ油)やマーガリンの原材料(!)、口紅等にも用いられます。雅称、末摘花(すえつむはな)。

文月
およそ、七月十二日から十六日ごろ、夜明けとともに、水面に蓮(はす)の花がひらきます。古来、中国より、「蓮は泥より出でて泥に染まらず」といわれつつも、実のところ、真水では立ち上がらないという逆説。ちなみに、その葉はけして濡れることがありません。

長月
ようやく残暑もやわらぎ、少しずつ秋の気配が感じられる今日この頃。見上げれば、なぜか空が高く、そして、いつもより青く感じられるのは、けして気のせいではありません。一方、春先に南方は東南アジアより訪れた燕(つばめ)とは、しばしのお別れです。

神無月
立秋の日より六十日を数えると、およそ、十月七日から九日頃となりますが、これが二十四節気でいうところの「寒露」にあたります。朝晩は、大気中の水分が冷たい露を結ぶ頃合いです。ちなみに、定気法によれば、今年のそれは八日の八時十五分(世界時)です。

霜月
晩秋ともなると、ようやくもみじや蔦が色づきはじめます。葉が赤色に変わることを「紅葉」と呼び、銀杏のように黄色に変わることを「黄葉」と呼びます。ちなみに、ライトアップのおすすめ穴場スポットは、千葉県は市川市にある葛飾八幡宮の「千本公孫樹」です。

師走
早くも街中のイルミネーションがまばゆいこの季節ですが、ともすると、過剰すぎる電飾それ自体が電気の無駄遣いにも見えなくない今日この頃。「でんきを消して、スローな夜を。」送りたい方には「100万人のキャンドルナイト」がおすすめ(冬至は夜8時より2時間)。

睦月
立春前(二月四日前後)の十五日間、または、その初日のことを「大寒」といいます。ともすれば、その寒さばかりが際立ちますが、「小寒の氷大寒に解く」という諺にもある通り、物事というのは、案外、順序通りにはいかないもの。地中には春の泉が湧き立つ頃合。

如月
春告鳥(はるつげどり)ともいわれる鶯(うぐいす)が、谷間から谷間へ、あるいは、枝から枝へ鳴きながら渡る様を、「鶯の谷渡り」といいます。耳を澄ますと、「ホーホケキョ」に「ケキョケキョ」と続けているかもしれません。それも谷渡りの徴(しるし)です。

弥生
「夢の中で蝶なのか、蝶の夢の中なのか」、夢と現(うつつ)が混じり合う幻想的な心象風景のことを「胡蝶の夢」といいます。やわらかな春の日差しを浴びて、冬を過ごしたさなぎが、いよいよ、そのみずみずしい羽をひらき、蝶として生まれ変わります。

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posted by fuyubi @ 5:55 AM

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