February 10, 2005

きっかけ *

「よーい」
といってから
ピストルが鳴るまでを
心の中で数えていたように

木坂涼、「じかんはじぶんを」より抜粋

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*

いつの日かわたしも
あなたのそれに似た醜い聖痕と
わたし自身に似た美しい弟子を持つだろう
美しい馬のようにいななく

松浦寿輝、「ウサギのダンス」より抜粋

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* *

岩ばしる垂水の上のさわらびの萌えいづる春になりにけるかも  志貴皇子

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February 8, 2005

*

「もう誰も来なくてもいい 雨も」
ふいに少女の日の気持ちが戻ってきてしまった
あのころのように 自分に命令したからだろうか

高橋順子、「花まいらせず」より抜粋

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白墨 *

あなたの肩の雪が
肩を消してしまう

白墨の文字が
粉をたてて消えるように
あなたを雪の中に見えなくした

いいえわたし黒板消し持ってません
後ろに隠した両手の
幼い日と
別れた

高橋順子、「花まいらせず」所収

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*

機嫌のいい顔をして
細胞は海に向かって喉をあけて
わたしはわたしを思い出さないで

高橋順子、「花まいらせず」より抜粋

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February 7, 2005

*

ーまるで
おしゃべりな鳥のよう
終わることのない仮死の子のリトルネロのように

守中高明、「シスター・アンティゴネーの暦のない墓」より抜粋

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February 2, 2005

白(仮題) *

あまり夜が更けると
私は電燈を消しそびれてしまふ
そして 机の上の水仙を見てゐることがある

尾形亀之助、「雨になる朝」所収

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早春雑記 *

又、雨が降っている。
昨日から私は部屋に白い蓮の掛図をかけている。
夜になって雨が強くなった。
蓮の胡粉が昼月のように浮いている。

尾形亀之助、「早春雑記」より抜粋

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February 1, 2005

thicket of kisses *

the still waters of the water under a frond of stars
the still waters of your mouth under a thicket of kisses

variations by federico garcia lorca

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